C型肝炎領域では、経口治療薬(インターフェロンフリー治療)の普及により治療成績の向上がもたらされましたが、
治療薬不応患者への対応(対策)やC型肝炎ウイルス排除後の病態の解明などの新しい課題が見出され、速やかな対応が
求められています。B型肝炎については、VR(Virological Response)率の改善及びHBs抗原の消失を目指した
新規治療薬・治療法の開発や核酸アナログ製剤を安全に中止する方法の確立等に向けた研究を行います。
さらに、B型肝炎ウイルス持続感染者における宿主側遺伝因子と慢性肝炎・肝硬変・肝がんの進展リスクの関係性を
明らかにし個別化医療の開発につながる研究を推進します。また、ウイルス性肝炎の新規感染や感染拡大の防止、
肝炎の治療につながるワクチン等免疫反応を応用した新規予防・治療法の研究を行います。
肝硬変や肝発がんについては、線維化や発がんの機序を解明し、病態進展や合併症の評価につながる研究および予防に
繋がる研究が必要です。特に肝硬変においては、新たな技術を用いた予防法、治療法の開発研究を行います。
肝がん全体の中で非ウイルス性肝がんの占める割合が増加してきている背景から、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
/非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の病態解明や治療等に関する研究も進めます。
これら肝炎研究に携わる若手研究者の育成を実践的な環境下で行い、肝炎研究の人的基盤の拡大を図ります。